ごあいさつ
コロナ禍の中、会員の皆様におかれましては、公私ともに活動が制約され、多大な負担の中で日々の実践活動を推進されているものと思います。会員の皆様のご努力に改めて敬意を表したいと思います。本学会は「病院及び地域の精神医療研究と実践活動の推進を目的とする」学会として、日本学術会議により、精神医学と地域医学の二領域における学術団体として指定されています。本学会には様々な職種や当事者・家族が会員となっており、総会での情報交換や学会誌を通した実践的な討論を踏まえて、病院と地域での地域生活支援等の実践活動について連携し、その向上と充実を目指して活動してきました。
長年にわたる会員のこうした取組により、精神障害者の権利擁護と社会参加が図られてきましたが、今なお課題は山積しています。障害者権利条約を踏まえた権利擁護制度、長期入院者の退院支援、地域生活支援体制の充実強化、障害者虐待の根絶、行動制限(隔離・拘束)の最小化など、多くの課題があります。
これまで、本学会では、精神保健福祉法の改正や、新たな行政施策に当事者や関係者の声がつながる活動として、意見表明や要望を行ってきました。近年、精神保健・医療・福祉領域では、地域生活支援に関わる多くの専門職や当事者、家族との連携がますます必要であり、諸現場とのネットワークを強め、積極的かつ有効な活動と研究が期待されています。
そこで是非、多くの会員の皆様に総会への参加、学会誌への投稿、若手会員のための実践研究奨励賞などを通して、学会活動にご参加いただくとともに、新しい会員の参加者を増やしていくことをお願いしたいと思います。会員の皆様のご理解とご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。
2021年8月
日本病院・地域精神医学会
理事長 山 下 俊 幸