会員の皆様へ 〜理事長就任にあたってのご挨拶〜

2016年1月

日本病院・地域精神医学会 理事長 山下俊幸

 このたび、2015年11月7日に「パルテノン多摩」で開催された理事会での互選により、今後3年間、理事長をお引き受けすることとなりました。どうぞよろしくお願いいたします。本学会は2016年の東京練馬総会で第59回を迎えることとなりますが、精神医療の改革に取り組んできた歴史ある学会の理事長をお引き受けすることになり、その重みに身の引き締まる思いがしています。

  本学会は、1957年に「病院精神医学懇話会」として発足し、1968年の第12回総会からは「病院精神医学会」として、1984年の第27回大会からは「病院・地域精神医学会」として活動してきました。多くの学会が分野・課題ごとに活動しているのに対して、本学会は病院と地域という「場」をテーマに掲げ、現場での実践を重視し、「場」の横のつながりを大切にしながら、当事者を含めた多職種で活動してきました。精神保健福祉分野において、このような学会は本学会しかないと思います。  

 厚生労働省が「入院医療中心から地域生活中心へ」改革を進めると掲げてから久しくなりますが、今日なお、精神保健医療福祉分野においては、実に様々な課題が多岐にわたり山積しています。地域における相談支援や障害福祉サービスの充実、長期入院者の退院促進(地域移行)、病院敷地内グループホーム問題、重度かつ慢性の基準、医療観察法の現状と課題、行動制限(隔離・拘束)の増加とその最小化、薬物療法の適正化、認知症医療と地域ケアの充実、アルコール・薬物(危険ドラッグ)依存等への対応、発達障害や被虐待等の児童・思春期問題、自殺予防を含めたメンタルヘルス、精神病床の機能分化、精神保健福祉法・障害者総合支援法の見直し、障害者権利条約の実行、障害者差別解消法の施行など、枚挙にいとまがありません。

 本学会では、これまで日々の実践の中で行われた多様な試みや成果を報告するとともに、精神保健医療福祉の分野におけるこれらの様々な課題に対して、問題提起や提案を行ってきた経過があります。また、当事者、家族、市民を含めて多職種が参加していることから多様な意見が反映できるとともに、地域連携による横のつながりを生かせる可能性を持っています。会員一人ひとりの活動の発展を期待するとともに、学会活動の活性化のため、ご理解ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。  

 一方、本学会は、現在会員数が減少傾向にあることから、財政運営においては厳しい状況にあり、会員の増加が喫緊の課題でもあります。今後も学会総会での発表、報告、意見、会員の声に耳を傾け、会員の声を生かした学会活動を展開していきたいと考えていますが、そのためには、何よりもまず会員の皆様の積極的な参加が必要です。同時に、精神保健医療福祉に関心のある多くの方々の入会を待ち望んでいます。  

 理事会としても評議員や会員の皆様のご意見を踏まえて、事務局運営や広報活動を見直し、会員の増加を図り、会員の皆様に的確に情報提供ができるように努めたいと考えております。また、第59回総会は、2016年10月13日(木)・14日(金)に東京の練馬区立「練馬文化センター」で開催することとしています。多くの皆様のご参加をお願いして、ご挨拶とさせていただきます。